低温長時間発酵で粉の旨みを最大限に引き出し、
素材や製法にとらわれない自由な発想で、パンの新たな可能性を切り拓く。
2006年、シェフ 志賀は「発酵食品としてのパンを極めたい」との想いから、
採算度外視で、妥協なきパンづくりを貫く“シニフィアン シニフィエ”をオープン。
その姿勢は、もはや職人を超え、研究者そのもの。
独自の発酵技術、異端とされた素材への挑戦が、 パン業界の常識を次々と覆してきました。
収穫前後の雨で自然発芽してしまった「穂発芽小麦」。
これまではパンには不向きとされ、その多くが飼料用として安価に取引されてきました。
農家にとっては、どれだけ丁寧に育てても最後の一雨で価値が大きく損なわれてしまう――そんな厳しい現実がありました。
しかし、志賀勝栄はその状況にあえて向き合いました。
「可能性はあるはずだ」――その信念のもと、穂発芽小麦の本質に迫る試行錯誤を重ねたのです。
徹底した素材の見極め、発酵の緻密なコントロール、そして独自に設計された製法。
その三位一体のアプローチによって、穂発芽小麦に含まれる酵素や香味成分を逆手に取り、
むしろ他にない旨みと香りを引き出すパンづくりに成功しました。
こうして誕生したのは、穂発芽小麦の個性を活かした、香り高く滋味深い一品。
それは単なる製パン技術の革新にとどまらず、生産者の未来を支える一歩でもあります。
パンづくりは、パン職人だけの営みではない。
素材を育てる人、食べる人、未来へつなぐすべての人のために。
パンは、つながりのかたちでもあるのです。
穂発芽小麦とは、収穫前後の雨などで自然に発芽してしまった小麦のこと。
この状態になると、小麦の中の酵素が活性化し、パンづくりにいくつかの問題を引き起こします。
酵素が増えすぎるとパン生地の粘りが強くなりすぎて、ガスをうまく抱え込めず、ふっくらと焼きあがらなくなってしまいます。
焼きあがったパンがべたついたり、形が崩れたりすることもあります。
同じように見える小麦でも品質にばらつきが出やすく、 安定したパンづくりが難しいという課題もありました。
穂発芽小麦発芽は「雑味」や「青臭さ」など、パンに適さない風味が出ることがあるとされてきたのです。
こうした理由から、穂発芽小麦は長らく「パン用には不向き」とされてきました。
志賀のパンづくりの根幹にあるのは、発酵への飽くなき探究心。
「発酵の時間は、味の深みにどう影響するのか」
その問いに向き合い、導き出した答えのひとつが、
120時間発酵バゲットという前人未到の作品でした。
発酵と腐敗は紙一重。
時間をかけすぎれば風味は崩れ、衛生リスクも高まる。
だからこそ、この技法はただの奇抜なアイデアではなく、
高い衛生管理と、発酵の“見極め”という熟練の技術があってこそ成立する「神業」です。
「死ぬ直前まで厨房に立ち続けたい」――そう語る志賀は、
今もなお進化を続け、若き職人たちを導きながら、
前人未到の領域をこれからも突き進みます。
エッジのきいた、究極のおいしさを求めて…。
1955年7月19日 新潟県 松之山生まれ
哲学者を目指すも22歳でパンの世界へ。
（株）アートコーヒーを経て、「カフェ・アルトファゴス」、「パティスリー・ペルティエ」（東京・赤坂）シェフ・ブーランジェに就任。
2002年以降、「ユーハイム・ディー・マイスター丸ビル店」（東京・丸の内）や「フォートナム・アンド・メイソン」（東京・丸の内など）でシェフ・ブーランジェを兼任。
2006年10月に「シニフィアン シニフィエ」（東京・世田谷区）をオープン。
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| ヤマト運輸（冷凍便） | |
|---|---|
| 北海道 | 2,200円 |
| 東北・九州 | 1,800円 |
| 中国・四国 | 1,700円 |
| その他の地域 | 1,200円 |
| 沖縄 | 2,700円 |
| ヤマト運輸（常温便・冷蔵便） | |
|---|---|
| 北海道・九州 | 1,500円 |
| 沖縄・一部離島 | 2,000円 |
| その他の地域 | 1,000円 |
| ▼お買い上げ金額10,000円以上 | |
| 北海道・九州 | 500円 |
| 沖縄・一部離島 | 1,000円 |
| その他の地域 | 無料 |
